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紙いろいろ

身近になったインクジェット

キュレーター・紙エッセイスト    植地 勢作
(2013年4月発行 会報第9号より)
昨今では家庭における自作の年賀状や文書の作成など、‘インクジェット’はすっかり身近なものになっている。インクジェットは、微細なノズルからインクを噴射して紙などの対象物に文字や画像を形成する方式である。タイプライターやオフセット/凸版印刷とちがうのは対象物と接触しないことである。
 その方式を大きく分けると、インクを連続的に噴射するコンティニュアス方式と、記録が必要な時にのみインクを噴出するオンデマンド方式がある。後者には、圧電素子(ピエゾ)が変形してインクを押し出すピエゾタイプと、熱素子で加熱したときに発生する泡の圧力でインクを噴出させるサーマルタイプがある。
 インクには油性と水性がある。油性インクはどんな対象物にも印字できるので工業用の分野で多く利用されている。通常、私たちが目にするのは水性インクである。
 水性インクに対応するインクジェット用紙を見てみよう。インクジェット用紙は大きく普通紙タイプと塗工紙タイプに分類される。今年の年賀ハガキには、インクジェット対応の普通紙タイプのほか、高光沢の塗工紙タイプのものも目についた。
 普通のハガキにインクジェットで印字すると、インクが乾くまでの時間がかかり、印字や画像が不鮮明となりがちである。一方、インクジェット専用紙では、多孔質の無機顔料と親水性樹脂の働きによりインク吸収速度が速く印字や画像が鮮明になる。
 塗工紙タイプ、中でも高光沢な表面をもつ用紙では、カラー画像はもっと鮮明である。これを可能にした一つにキャストコ―タ―がある。多孔質の無機顔料と親水性の樹脂ベースの塗料を塗布し、キャストドラムに張り付けて乾燥すると、シートや塗料中の水分が表面に抜ける際、極めて微細な穴ができるので、高光沢、高精細な画像が可能になるというわけである。

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