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紙いろいろ

リサイクルの優等生、段ボール

キュレーター・紙エッセイスト    植地 勢作
(2012年12月発行 会報第8号より)
もしこの世に段ボールがなかったら…とにかく段ボールは巷に溢れている。今回は、100%古紙が使われているリサイクルの優等生、段ボールに注目してみよう。
 1856年イギリスでフルート(Flute、丸溝ひだ)をつけた紙が帽子の汗取りバンドとして使われたのが段ボールの始まりである。
 わが国では、1909(明治42)年に井上貞次郎が三成社(現・レンゴー)を興し、初めて片面段ボールをつくり、電球を包んだ。これに「段ボール」という呼び名をつけた。段ボールとは「段のついたボール紙(ボード)」という意味で、当時先端を行っていた紙箱屋や化粧品屋が使っていたハイカラな「ボール」という用語を転用したものである。その後、段ボールは缶詰、ビール、陶磁器、衣類など様々な用途で使われたものの、包装の主流は相変わらず木箱や縄・菰(コモ)であった。
 朝鮮戦争が勃発した1950(昭和25)年当時、アメリカから日本に送られてくる戦争物資のほとんどが段ボール箱で運ばれているのを見てわが国でも、政府の掛け声のもとに省資源の面からも「木箱から段ボールへ」という転換運動が始まり、今日の隆盛を築いた。
 段ボール箱ができるまでの工程は、段ボール原紙(ライナーと中芯原紙)を抄く→コルゲ―タで中芯原紙に波型をつけながら、ライナーと張り合わせる→フレキソ・フォルダ・グルアで印刷しながら段ボール箱に仕上げるという3工程に分かれている。
 段ボールはなぜ重さに耐えられるのだろうか。段ボールは、中芯とライナーとが貼り合わされ、トラス構造と呼ばれる三角形を形作っている。これが強さの秘密である。現在では、用途に応じ、単なる片面・両面段ボールのほか二層、三層構造のものや、フルートの大きさも大から小まで各種そろっている。また、耐水性、保冷性、導電性、防さび性、鮮度保持性など多様な性能を持ったものがあり、機能性段ボールと呼ばれている。

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