1. HOME > 
  2. 著者からのメッセージ

著者からのメッセージ

激変の時代を見つめてきた赤レンガの東京駅

   長谷川 章
(2005年11月発行 会報第107号より)
 日本の鉄道の頂点に立つ東京駅。駅のスケール、発着する列車本数、乗降人員数など、どれをとっても世界最大のマンモスステーションです。しかし、上野駅に比べると、終着駅というイメージは薄いようです。故郷の匂いや哀愁をそそる雰囲気はあまりなく、ビジネスライクに徹して、カラリとした感じがあります。しかし、丸ノ内に立つどっしりとした赤レンガの建物は風格に満ちていますよね。

 空襲で大きな被害を受け、3階建てが2階建てになり、両翼のドーム屋根は三角屋根になりましたが、大正3年の竣工当時の姿に復元しようという話もでています。当時の雄々しい東京駅の姿は日本中の人々を驚嘆させるに余りある存在だったようです。

 明治末期から昭和十年代後半までは、絵葉書が現在の写真週刊誌的な役割を果たしていたのでしょうか、観光名所はもとより、ニュース的な記録写真が数多く発行されています。センセーショナルであった東京駅の落成、「一丁ロンドン」、そして「一丁ニューヨーク」と呼ばれた東京駅周辺のビル群など、東京駅とその周辺を題材にした絵葉書の数はあまりに多く、編集の段階でボツになったものも多数ありましたが、貴重なカットは可能な限り掲載しました。東京駅を中心にその時代ごとの世風の移り変わりを感じて頂ければ幸いです。

 なお、八重洲口には超高層ビル建設の噂もあります。大東京の表玄関はこの街の繁栄を映しつつ、常に変化し続けていくようです。
本イメージ
「東京駅歴史探見」
JTBパブリッシング刊
定価1785円
中学校・高等学校

バックナンバー

選書リストを見る

新規登録すると…

SLBAに参加登録(無料)していただくと、ホームページからもご注文が可能になります。

学校図書館様向け 新規登録

書店様向け 新規登録

ページトップへ

当ホームページ掲載の記事、写真、イラスト等の無断掲載を禁じます。