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著者からのメッセージ

「白い街 あったかい雪」

   鎌田 實
2014年12月発行 会報第14号より
チェルノブイリの子どもたちを助けるために、放射能で汚染されたベラルーシに通ってきました。1991年から現地に送った医師団は今年で100回。医薬品や医療機器のために、約14億円のお金も集めました。絵本「白い街 あったかい雪」(ポプラ社)は、そうした支援活動のなか、少年を亡くしたお母さんとの出会いがきっかけでした。
 少年は、チェルノブイリ原発事故の半年前に生まれ、10歳のときに白血病になりました。少年の命を助けようと、ぼくたちは手を尽くしましたが、抗がん剤治療は効果がありませんでした。現地の医師に新しい治療法を指導しながら、骨髄移植を行いました。
 骨髄移植は成功したものの、少年は感染症を起こし、生死をさまよいます。そのとき、日本の看護士が少年のためにとった行動が“奇跡”を起こします。見知らぬ人のなかにある「やさしさ」を呼び起こし、夢がかなった少年は一時、元気を回復するのです。
 その後、少年は白血病の再発で亡くなり、ぼくたちはお母さんにお悔やみを言いに行きました。そのとき、悲しみのなかのお母さんから聞いたのは、感謝の言葉だったのです。ぼくはこの絵本を通して、命の大切さと、どんな状況でも人に感謝できる人間の心の大きさを伝えたいと思っています。

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