本校の生徒の１人当たりの年間読書量は40冊以上、一方で「ケータイ小説がないから」と図書館に来ない女子もいる。考えついたのが毎月公共図書館から団体貸出を受けている本に、ティーン向け雑誌のバックナンバーを数冊加えてもらうこと。待ちわびること３ヵ月、気がつけば“公共図書館の本コーナー”は、敬遠していた女子たちが集う場所となっていた。いっそのこと、釣りやアニメやスポーツのバックナンバーも揃え、たくさん生徒を呼び込もうと、その場所を“ブラウジングコーナー”として大きくサインを掲げた頃には、男女を問わず学年を越えて“憩う場”、“情報交換の場”と様がわり。古い雑誌の数々が生徒達に居心地よい場を作り、「来たついでに本を借りよう！」と読書へ誘い、「次、その本予約します。」と読書の輪を広げるきっかけづくりになった。今私は嬉々として、引き寄せられた生徒たちを話さぬよう、迅速・確実をモットーに「約束した本の事は忘れてないから」とアピールしながら、時には教室まで本を届けている。