JavaScriptが無効になっています。
「新しい貸し出しカードを下さい」そんな声を聞くと嬉しくなってしまう。私が江刺第一中学校に赴任した年は、二枚目に達する生徒はいなかった。 私が着任したのは夏休み明けからであったが、昼休みでも図書館は閑散とし、たまに訪れる生徒からは「どうやって借りればいいんですか?」と尋ねられた。聞けば、今まで専任の司書がいなかったため、昼休みでも図書委員の都合が悪ければ図書館は施錠されたままだったらしい。そこでまず、①図書館の利用方法の周知徹底、②毎月一回の図書館便りの発行、③居心地の良い空間作りを軸に活動を始めた。 中でも図書館の装飾、POPには特に力を入れてきた。どうしても閉鎖的になりがちな図書館内でも季節を感じてもらえるようにとほぼ毎月模様替えをしている。「ハロウィンもいいけどクリスマスが一番好き」「あの切り紙ってどの本を見れば作れますか」と声をかけてくる生徒もいる。 今でも「今まで本を借りたことがない」という生徒がやってくるが、私よりも先に周囲の子がカードの記入方法や返却日について説明してくれるようになった。「ここにくるとほっとする」と最近では本を借りてすぐに教室に戻るのではなく図書館でページを捲る生徒の姿も増えてきている。これからも忙しい学校生活の中、一層安らぎを与える事ができる空間を提供していきたい。
当ホームページ掲載の記事、写真、イラスト等の無断掲載を禁じます。
COPYRIGHT©2012 SCHOOL LIBRARY BOOK ASSOCIATION. ALL RIGHTS RESERVED.