昨年度一年間、岡山県立落合高等学校に図書司書として勤務しました。私は今までに三校の高校図書室で司書の仕事をしましたが、各校での取り組みはそれぞれの特徴があり、私にとってよい刺激になりました。 　落合高校の図書室で毎月一回「図書だより」を発行しています。「図書だより」は全校生徒、教職員に配り、学校ホームページに掲載しますので、責任もありますが、配るとすぐに「この本ありますか？」「こんな本も入れてほしい！」など多くの意見をもらえ義務とか仕事だからということではなく、「見てくれる人がいる」ことが励みになり楽しんで作れるようになりました。作る側が楽しんで作っている、取り組んでいることは自然と見てくれている方に伝わるのではないかと思います。そして、作る側にも責任感が出て来ます。それを実感できたことが私にとって最も大きな成果かも知れません。
　また、委員会活動として図書室の一角に「○月の特集コーナー」を設け、季節、行事、その時の話題のもの等々を取り上げ本を紹介しています。また学校祭参加や読書週間の催し等の工夫を生徒と共にしてきました。昨年度から学校ホームページ内に「図書室より」というコーナーを作り、「図書だより」や「特集コーナー」、図書室に関するトピックスを紹介しました。それにより、生徒の自主的活動が増え、「図書委員会で何か新しいことをやってみよう！」という意見が次々と出始めたことは私にとっても大きな喜びになりました。３階にあり中々目立たない図書室に、何とか足を運んでもらえるようにと始めた、校内の階段へのポスター貼りや学校を挙げて取り組んでいる「朝の読書」も順調で、昨年度、図書室利用数はかなり増えました。また、司書部会で研修として行われたワイヤーアートでイーゼルを手作りしたり、ＰＯＰやＰＯＰ立てを図書委員会で作りました。生徒とともに活動を広げられたこともよい経験になりました。
　このように学校のみなさんに参加してもらい学校図書館に関わってくださっている先生方、委員会、私が楽しんで取り組める環境がある落合高校では、多くのことを学ぶことが出来ました。利用者にとっても、そこで仕事をする側にとっても図書室は多くの思い出を作ってくれるのではないでしょうか。その思いを、今後にも役立てていきたいと思います。