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和本といえば、大方の人が思いうかべる綴じ方の体裁が「四つ目綴じ」です。
本文紙は、印刷した側を外にして1枚ずつ二つに折り、折り目でない方を綴じるので、丁度底がぬけた袋のようになるところから「袋綴じ」ともよばれます。
本文全体は下綴じをしてから、表紙と合わせ、背側に四つの穴をあけ、そこを糸で綴じて仕立てます。糸の綴じ順は、前回紹介した武井先生の図解でご覧下さい。これは実際にやってみると、比較的簡単な綴じ方です。糸は絹糸のやや太いものを用います。針を使うこの仕事は、むかしから製本所で女性の役割でした。
この綴じ方は中国から入ってきたもので、日本では15世紀はじめころから一般的となり、明治初めの教科書のような新しい出版物になっても、まだこの方法でしたから、500年ちかく変わらず続いたことになります。
ところで、和本に替わる本格的な洋式製本術は、御雇外国人技術者から学びはじめたのが、どうやら明治10(1877)年前後だったようです。しかし、洋本とはいっても、世紀が変わるころまでの一般書の装丁は、「南京」ばかりが多かった、ということです。
南京とよばれる製本は、中身を針金でとじ、それに厚表紙をつけ、背をクロースで貼った上製本と仮製本との中間的な本とでもいった形のものでした。
『製本之輯』(1941)より 武井武雄先生の図解から転載(綴じ順の一部を省略しました)
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