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編集者のアンテナ

「やってみよう!」の気持ちを大切に

さ・え・ら書房    浦城信夫
(2006年9月発行 会報第109号より)
  小中学校が夏休みに入るとすぐ、東京・北の丸公園内にある科学技術館で、毎年『青少年のための科学の祭典』が開かれます。子どもたちに、科学のおもしろさ不思議さを体験してもらおうと、日本全国から多くの“実験を開発・実演する人”たちが集まります。科学の本を編集しているわたしにとっても、さまざまな実験を見ることのできるよい機会なので、毎年、見学しています。

 いまから2年前のこと、その会場で1人の女性が、曲芸折り紙飛行機を飛ばしながら、熱っぽく来場者に語りかけているのを見かけました。これが、小社で発行することになる『ライト兄弟はなぜ飛べたのか』の著者、土佐幸子さんとの初めての出会いでした。

 土佐さんの実験は、折り紙飛行機を調整することでどのように飛び方が変わるか、そして、ライト兄弟の飛行成功にどんな工夫があったのかを、紙飛行機に重ね合わせて説明するものでした。土佐さんの実演は、自分自身、実験をするのが楽しくてたまらない、そして、その楽しさを多くの人に知ってほしいという気持ちがほとばしっているように、わたしには感じられました。

 土佐さんはふだんはアメリカに在住で、ボストン科学博物館で子どもの科学実験の講師をしておられます。そして、日本にもどってきたときに、このように科学実験を子どもたち見せていました。その場でさっそくお話をし、ライト兄弟と紙飛行機をテーマにした本づくりを進めることになりました。

 少し前なら、アメリカ在住の著者との打ち合わせはたいへんだったと思いますが、今はeメールがあるのでずいぶんと楽です。しかし、こまかい部分については、どうしても、実際にお会いし、ここはこうしたほうが……、いやそれよりも……、といったやりとりが必要になります。ところが、土佐さんが小社に見えると、すぐに紙飛行機飛ばしが始まってしまうのでした。この実験大好きの土佐さんの情熱が、本を通して、少しでも読者に伝わったらいいな、と思います。
ライト兄弟はなぜ飛べたのか 紙飛行機で知る成功のひみつ
ライト兄弟はなぜ飛べたのか 紙飛行機で知る成功のひみつ
土佐幸子/著
さ・え・ら書房
1,470円

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