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編集者のアンテナ

知識があれば肉はもっとおいしくなる!

実業之日本社    石原 礼子
(2012年9月発行 会報第7号より)
 「肉食系女子」「ホルモンヌ」というような造語がはやり、肉を好んで食べる女性が増えている実感がありました。話を聞いてみると、彼女たちは、肉がおいしいお店の情報収集はもちろん、調理方法、部位ごとの特性など「もっと肉のことを知りたい!」と探究心旺盛です。
 「肉食系女子」「ホルモンヌ」のひとりだった私も、肉の知識を得られる本を探しましたが、手頃に買える、期待するような本はありませんでした。
 「ないなら、つくろう!」と企画立案したものの、ネックとなったのは、「撮影のためにたくさんの種類の肉をいい状態のままで一堂に集めること」。精肉店で小売りしているサイズの肉ならまだしも、切り分ける前の大きなブロック牛肉(ひとつ20~30キロ!)を掲載するのは、冷蔵設備も、仕入れるお金も厳しいのです。経費が膨大になると、手頃に買える価格の本にはなりません。
 そんな折、監修・協力になる総合加工食品メーカー「藤屋」の方と、縁あって出会いました。北京ダックやチャーシューなど肉の加工食品を得意とされていると聞き、「撮影のためにたくさんの種類の肉をいい状態のままで一堂に集めること」ができずに企画が頓挫していると相談したところ、「まかせてください!」と心よく引き受けていただいたのです。プロの目利きでの仕入れ、撮影、知識があってこそ『知っておいしい肉辞典』ができ上がりました。
 料理となる前の肉が、どういう形で、そもそも動物の体のどこにあたるのか。どういう調理方法がぴったりなのか。興味を広げていくことで、食卓は社会につながります。
 この本は「基本的に肉の生食は認められない」というプロの意見を採択しています。本書製作中に、ユッケからの食中毒死という悲しい事件が起こり、肉の生食基準は強化されました。おいしく肉をいただくために、知っておきたい知識があります。
書影
知っておいしい肉事典

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