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著者からのメッセージ

「語る」と「読む」

   蓮見 治雄(訳・再話)
(2006年12月発行 会報第110号より)
 一昨年、こぐま社からの依頼で、『子どもに語るモンゴルの昔話』を出版いたしました。大変名誉なことと思っております。

 モンゴル語の原文を和訳しながら、常に心配していたことのひとつが、本来民話とか昔話などは語って聴かせるものなのに、今回に限らず、常に「和訳して読ませる」という形式を踏まざるを得ないということでした。しかも私たちのような原文の一語一語にこだわる硬い訳語によって読ませるのですから、このことは私にとっては常に心配の種でした。

 語りには各々独自のリズムやメロディーがあり、語り手と聴き手の交感が生まれなければ本来の語りとは言えないと思います。

 しかし、この私の心配は徐々に杞憂であることがわかってきました。こぐま社のこのシリーズは、私のような翻訳者の硬い訳語のままで読ませるのではなく、語りの専門家の方々との共同作業によって進められるという仕事でした。このようなやり方をすれば、100パーセントではないにしても、昔話の語り手の息づかいや、顔の表情までもが伝わるのではないかと思い大変安心したものです。今後ますますこの方法が発展し、良い結果を生むことを心より祈っております。
本イメージ
「子どもに語るモンゴルの昔話」
こぐま社刊
定価1,680円
小学校高学年

著者
蓮見 治雄

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