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著者からのメッセージ

恐い、気味の悪い生き物寄生虫

   荒木 潤
(2009年12月発行 会報第119号より)
一般の多くの人は寄生虫と聞くと、恐い生き物、気味の悪い生き物と考えるのではないでしょうか? しかし、寄生虫をよく知ってみるとエグい中にもすばらしさも見えてくるのです。特にその生きざまを考えると、不思議で巧妙な面に感心させられることもあります。

寄生虫の研究者の中には、寄生虫に味方するとか、寄生虫は悪い生き物ではないとか、さらに美化して、役に立つ生き物であるかのように強調する人もいるようです。しかし、寄生虫は宿主に害を及ぼすがゆえに寄生虫とされているわけです。そこで、寄生虫を無理に美化することは避けて、素直に、なるべく平易な表現で寄生虫を紹介しようと考えました。しかし、衛生状態が良くなって、ほとんどの人が日常の生活で寄生虫とは無縁になってしまった現在、それを説明する平易な言葉がなかなか見つからないこともありました。特に原虫のような、微小で意外と複雑な生活をする寄生虫を紹介するのは非常に大変でした。

日本では人の寄生虫は少なくなったかもしれません。でも、身の回りには意外と身近なところに寄生虫が存在することがあります。そのような寄生虫をむやみに怖がることなく、正しく理解してもらいたいのです。より多くの人に、寄生虫の本当の姿、その生活の不思議さ・巧みさなどを少しずつでも理解してもらえれば幸いです。
寄生虫のふしぎ
寄生虫のふしぎ
技術評論社刊 1,659円
中学校・高等学校

荒木 潤
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