小学校のころ作文が嫌いで、宿題が出るといつも泣きながら家族に手伝ってもらって書いていました。そんな私がまさか本を出すとは思いもしませんでした。なにしろ私の肩書は「イラストレーター」なのですから。

　初めは挿絵に私の描いた絵を使ってもらおうくらいの気持ちでいましたが、天文学を大学と大学院でやっていた経緯もあり、文章も私が書かせてもらうことになりました。こんなに物書きから遠い人間もいないのに、はてどう書こうか、と一瞬戸惑いましたが、「文章に挿絵が入っているんじゃない、絵に説明文が入っているんだ」と思って書き始めるとそれはスラスラ書けるのでした。

　それに私は手紙やノートを書くのは大の得意で、ノートはクラスメイトの中ではちょっとした評判になるくらいのものでした。ある時はだれかに手紙を書いているような、またある時は何かをノートの中で説明しているような、そんな気分で書きました。

　どうぞ、ブラックホールへの片道切符を差し上げますので、この週末出かけてみませんか。