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著者からのメッセージ

落語絵本はオチつけます

   川端 誠
(2008年9月発行 会報第115号より)
 落語を絵本にするにあたって、僕の師匠は歴代の名人達のCDであります。絵本にしたい噺はいくつもあり、次に何をというのは漠然と決まってはおりますが。『おおおかさばき』は八代目三笑亭可楽師匠のCDを購入して聴き、すぐに次はこれでとスライド登板としました。

 元ネタは『三方一両損』。職人の金太郎が、これまた職人の吉五郎の三両入った財布を拾い、届けてやるのですが、身につかなくて落したんだからお前にやると、受け取らない。金太郎とてもらう筋はない。結局、両者の家主も巻き込んで大岡裁きを受けることにあいなります。

 絵本にするにあたり、落語と変えたところは、両者の家主を碁敵にしたところ。金を受け取らない理由を、そんな大金を持っていたら金に気がいって、手間を省くようになったら職人の面汚し。と職人気質を二人に語らせているところでしょうか。二人の家族も登場させました。

  奉行は世の中の治安を守り。家主は店子の面倒を見。職人は自分の仕事に精を出す。それぞれの立場でプロ意識をもっている大人の姿を描いてみたいと、作った次第です。

 奉行は二人に膳を振舞い、「遠慮はいらぬ。飯の代わりを申せ」「いいえお奉行様。おおかあくわねえ、たったえちぜん」。
本イメージ
おおおかさばき
クレヨンハウス
1,260円
小学校低・中学年

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