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私の中学時代は、眉村卓・筒井康隆・星新一などSFブーム真っ只中。幸せそうに見えない未来と時空を行き来する主人公たち。何とか現状を打破しようともがく姿が、思春期の理由もなく落ち着かない自分と重なる。 次どうなるのか、先の見えない展開に惹きつけられる。勉強でも使っていない集中力で読みふけり夕食を告げる声にも気づかない。親から怒鳴られて我にかえる。 そんな経験を生徒たちはあまりにしていなさすぎる。だがそれはこうした本との出合いをしていないだけなのだ。SLBCは世代のはなれた私と彼らの望む本との間にかかる架け橋である。「何か面白い本ない?」と聞かれる瞬間はお互いに幸せな時だ。間もなくその作家の別の作品を借りにきて、感想を話すことになるからだ。 SFの描く二〇〇〇年は奇天烈な世界だった。二〇〇九年の今を生きる自分は彼らの書いた「妙な大人」になっていないようにと願っている。
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