学校図書館ブッククラブ（SLBC）は、学校図書館における「良書の選択」「適書の入手」を支援することを目的として1970年に創設された学校図書館専門の図書共同購入組織です。その仕組みを簡単に説明しますと、年間約70,000点を超える新刊図書の中からSLBC加盟出版社89社の小・中・高校向き新刊図書（現在年間約1,200点）を厳選し、年3回に分けてSLBC加入を申し込んだ学校に送本するシステムです。選書は、社団法人全国学校図書館協議会（全国SLA）に委嘱して行っています。

選書の方法

　SLBCの選書の仕組みを簡単に紹介します。まず全国SLAによって毎月2回、出版される新刊図書すべてを対象に現場の教師、司書教諭、学識経験者などからなる選定委員が1冊1冊手にとって学校図書館向きかどうかをチェックしています。成人向け図書やビジネス実用書、文庫本などは除かれます。こうして選ばれた「全国SLA選定図書」年間約4,000点の中から学校図書館の蔵書構成を考慮して「SLBCの選定図書」が選ばれます。継続的にSLBCを利用されると学校図書館の中核的な図書群が整備されることになります。

改革をスタート

　昨年度、SLBCは新しい時代に即した改革をスタートさせました。従来の年2回送本を3回に増やしました。また、専用ホームページを開設し選定図書等の書誌情報、入会申込み方法等を提供しています。従来の印刷カードを廃止、データベース化した書誌情報を専用ホームページおよび選定図書案内に掲載しました。また、SLBC選定図書に件名情報を加え検索ツールを充実しました。本年度、専用ホームページをリニューアルし書誌情報の件名検索、学校図書館情報の充実を図ります。

送本の時期

　SLBC選定図書の送本は、4月、9月、12月に「SLBC選定図書案内」を作成し、直接学校にご案内します。SLBC選定図書は、①小学校低・中学年部門、②小学校高学年部門、③中学校部門、④高等学校部門の4部門で、それぞれA、B、Cの3つのセットを用意しています。選書された図書を見比べ、ご希望の部門・セットを決めて出入りの書店または専用ホームページで申し込みます。学校には書店を通じて6月末、11月末、2月末に希望された図書をお届けします。

予算の活用

　ところで最近は、市町村や県の財政事情により図書購入予算が減額された学校も少なくありません。また、選書は自分たちで自由に行いお仕着せはいや、という学校もあろうかと思います。SLBCは年3回、多額の図書購入を押し付けるつもりはまったくありません。限られた予算を有効に活用するためのお手伝いをしたいと考えています。SLBCの選定図書と学校が独自に選書した図書と合わせると理想的な蔵書構成が構築されていくと考えています。なお、SLBC選定図書は、品切れ・絶版がありません。

蔵書の充実に

　学校図書館は今日、「学習・情報センター」として、また、「読書センター」としての機能の活用が求められています。「総合的な学習」や各教科での「調べ学習」では児童生徒の問題解決能力を育む学習活動が期待されており、他方、「朝の読書」や「読み聞かせ」など「読書の時間」では児童生徒の豊かな人間性を育む読書活動が期待されています。こうした期待にこたえるために学校図書館は蔵書のいっそうの充実を図り、「学校図書館活用教育」の拠点としての役割を果たす必要があると考えます。そのためにぜひともSLBCをお役立てください。