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SLBAのご案内

図書の更新とSLBAの活用

学校図書館図書整備協会 理事長
森田 盛行
2013年4月発行 会報第9号より
【学校図書館の蔵書】
  学習指導要領の改定により新しい教育課程が実施されています。改定の重点に言語力の育成があります。これは、国語科だけではなく、全教科・領域において行われることになります。学校図書館の豊富な資料(学校図書館メディア)を活用せずに教科書だけでの指導では、言語力の育成は困難となります。
 しかし、学校図書館メディアの中核となる図書は、まだまだ不足しているのが現状です。文部科学省が隔年で調査している「学校図書館の現状調査」の2012年度の調査結果によりますと、文部省(当時)が学級数に応じた標準的な図書の冊数を定めた「学校図書館図書標準」の達成率は、小学校56.8%、中学校47.5%とまだまだ低いのが現状です。
 一方、見方を変えれば図書標準を満たした小・中学校は約半数にのぼる、とも言えます。この中には、100%をはるかに越えた学校も含まれています。ただし、この図書標準では図書の発行年については規定されていませんので、現在ではとても利用できない古い図書が含まれていても冊数さえあれば図書標準を達成したことになります。現に、図書標準を達成するまでは古くても一切廃棄はしないように教育委員会や校長から指導されている学校図書館もあると聞いています。その結果、図書標準を満たす蔵書数はあっても、古くて利用できない図書が書架上に並び、児童生徒、教員、保護者の学校図書館に対する信頼を失ってしまう、まさに本末転倒でしょう。

  【図書の更新】
  図書は購入したときから毎年古くなっています。家電製品にも耐用年数があるように、図書にも利用できる年数があります。ここで言う耐用年数とは、紙でできた本そのものとしてではなく、図書の記載内容が利用できる年数です。例えば、20年以上前に発行された百科事典でも大事に利用すれば製本はしっかりとしていて利用できるでしょう。しかし、社会の変化の激しい現在、記載内容は古くなり、とても利用できるものではありません。
 このように、物としてはまだ利用できても、記載内容が古くて利用できない図書を払い出すことを「廃棄払い出し」又は略して「廃棄」と言います。日常用語としては、壊れて利用できないものを捨てることを廃棄といいますので、これと誤解されるので注意が必要です。
 図書を廃棄する年数は、分野によって異なります。この廃棄年数の基準は、明文規程を設ける必要があります。全国学校図書館協議会(全国SLA)制定の「学校図書館図書廃棄規準」を参考にして各学校で作成をするとよいでしょう。これでは、「就職・受験内容書」を2年間、「百科事典・専門事典」を10年間としています。少なくとも昭和に発行された図書は全て廃棄の対象となります。

  【SLBAの活用】
   更新は、古い図書の廃棄と新しい図書の購入とセットで行います。しかし、現在の学校図書館の現状では、多忙極まる先生方が膨大な出版物の中から児童生徒、学習・読書指導の現状を踏まえつつ、蔵書の配分比率も考慮して適切な図書を選択することは、時間的にも非常に困難となっています。
 そこで活用される蔵書構成を図る有用な方法としてSLBA(学校図書館図書整備協会)の利用があります。SLBAの図書選択は、学校図書館に長年携わっている現場の先生や大学の先生が学校図書館の視点で行っています。SLBAを利用することにより、蔵書はバラエティに富み、現場が必要としている図書による蔵書構成となります。学校図書館の機能を十二分に発揮でき、児童生徒、先生方から信頼される学校図書館となります。
 SLBAは学校図書館の図書整備を目的とする公益法人として学校図書館の機能を強化するために事業を展開しています。まだこのSLBAを知らない、利用していない学校が多くあります。是非、皆様からもSLBAのよさをアピールしていただくことを願って止みません。

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