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SLBAのご案内

SLBAの意義とその活用

学校図書館図書整備協会 理事長
森田 盛行
2012年4月発行 会報第6号より
東日本大震災から1年
 3月11日の東日本大震災から1年が経ちました。被災地の方々は、過酷な状況の中でも復興に向けて日々努力され、着実に復興に向けて前進している姿に心打たれます。
 この大震災で私たちは多くのことを学びました。とりわけ読書のすばらしさ、読書の果たす役割の大きさに今更ながら認識を新たにしました。震災後、全国各地から膨大な図書の寄贈がありましたが、子どもたちが通う学校に必ずある学校図書館に図書を寄贈すれば、確実に子どもたちに図書を手渡すことができ、一人ひとりの好みや必要に合致する図書と出会わせることができます。学校図書館の存在意義について多くの方々の理解が得られ、その結果、学校の復興の際に学校図書館が学校の中央に置かれ、利用しやすい快適な学びの空間として復興が図られるものと思います。
 SLBAも微力ながら、(公社)全国学校図書館協議会(全国SLA)との連携・協力のもとに、被災地の書店を通じて被災された学校図書館に新しい図書を贈る支援活動に参加しました。学習に利用する新しい図書を求める痛切な願いに、少しは応えられたかとは思います。今後もSLBAとしてできる支援活動を進めていきたいと思います。

SLBAの事業
 SLBAは、1970年に設立した学校図書館ブッククラブ(SLBC)を発展的に改組し、2010年に学校図書館の振興を目的に一般社団法人として発足した公益法人です。
 SLBAの事業は、次の通りです。

①学校図書館に対する図書の提供
学校図書館の蔵書に相応しい図書を選定し、学校が指定する書店を通して提供します。選定は、全国SLAに委嘱し、経験豊かな選定委員の先生方が行います。

②学校図書館研究団体への研究助成
各都道府県の学校図書館研究団体の研究活動に対して助成を行います。各研究団体は、この助成金も活用し、研究物の発行や研究会を開催し、域内の学校図書館の活性化を図っています。

③学校図書館、学校教育、図書に関する情報の提供
SLBAの会報及びホームページにより学校図書館の研究会・研修会の開催、学校教育、学校図書館に関する最新情報、図書の出版に関する情報の提供を行います。

④その他の事業
当会の目的を達成するための事業を行います。今年度は、学校図書館活動の活性化を図るための講演会・講習会を開催します。詳細は、会報又はホームページに掲載します。
また、各都道府県の学校図書館研究団体等を訪問し、意見交換、情報交流等を図ります。

SLBAの活用
 現在の学校図書館の現状では、多忙極まる先生方が出版物の中から適切な図書を選択することは、非常に困難となっています。出版点数の増加、書店の減少等により自分の目で見て、内容を把握し、購入する図書を決めることがなかなかできません。本来、図書の選定は学校図書館の専門職である司書教諭、学校司書の先生方の重要な職務ですが、その時間を確保することができない忙しさです。
 このような現状の中で活用される蔵書構成を図る有効な方法としてSLBAを利用していただいています。SLBAの図書選択は、児童生徒の現状、学習・読書指導の現状を踏まえつつ、図書の配分比率も考慮して選定しています。SLBAを利用することにより、蔵書はバラエティに富み、現場が必要とする蔵書構成となります。学校図書館の機能を十二分に発揮でき、児童生徒、先生方、地域住民から信頼される学校図書館となります。
 まだこのSLBAを知らない、利用していない学校が多くあります。是非、皆様からもSLBAの意義、蔵書構成の重要性をアピールしていただくことを願って止みません。

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